いつもいつも　なんでこんなに寒いんだろう？

ちいさくまるまりながら　そのこは考えていました。

そのこの周りはなんだか灰色で、いつも薄暗いのです。

周りをみようとすると、なんだか目が回るような気分になったので

いつのまにか、考えたり、見るのをやめてしまっていました。

そうして　こんこんと眠り続けていました。

ある日のこと

なんだか　体の右のほうがむずむずしてきたのです。

目を開けて、周りを見ると、以前よりも明るくなっています。

体を見ると、なんだかうっすらと黄色いものが出てきています。

わあ？なんだろう？なにかがからだからでてきてる！

びっくりしたその子はもぞもぞと体を動かしました。

しばらく動いていると、

パチン！

と音がして、黄色いふわふわがでてきました。

その子が動かそうとすると、その黄色いふわふわは動かせることがわかりました。

しばらくのあいだ　ふわふわを動かしていると、動きに合わせて周りが明るくなってきました。

あれ？このふわふわを動かしてたら、周りが明るくなってきた。

うれしくなったその子は

黄色いふわふわを動かしつづけました。

まわりはどんどん　どんどん　明るくなって、暖かくなってきました。

草や木々の芽もふくらみ、花を咲かせはじめました。

春が来たのです。